2006年4月24日月曜日

デザインのデザイン


友達のデザイナーが読んでたのでなんとなく借りてみた「デザインのデザイン」。
もちろん、デザインの本です。

今まで、「美術」「芸術」関係とは縁のない生活を送っていました。
まあ、読む本もなくなってきた(というか、ほぼ慢性的に不足気味)ので軽い気持ちで読んでみました。

ところがどっこい、これがおもしろい!

2章のリ・デザインの作品紹介がとてもおもしろい。
一番衝撃的だったのが、「ティーバッグ」。
持ち手が茶色のリングになってます。
「??なに言ってんだ?」
と思われるかも知れませんが、このデザインにどういう意味があるかは読むとわかります。
デザインの凄さを知りました。
他にも「四角いトイレットペーパー」や「吸水レベルつきバンツ」など。
あまりにおもしろいので、この本を貸してくれた友人に「このデザイン展に行きたい!」と言ったら「上海じゃ無理」と言われました。そりゃそうか。

デザインって、愛と知性にあふれた世界なんですね。
使う人への共感なしに成立しないところが愛ですし、社会への批判なしに進歩がないところが知性です。
まさに理想郷。まあ、現実はいろいろあるんでしょうが。

この本をもっと小さいときに読んでたら、確実にデザイナーを目指していたと思います。
まあ、いまからでも遅くないので、とりあえず自称デザイナーになってみるつもりです。
「来年から学校に行くー!!」とかしないですが。実はちょっと考えました。

6章の「日本にいる私」もおもしろいです。
ここで紹介されている場所もすごくいいです。「天空の森」、行ってみたい。とてつもなく高そうですけど。(そして調べてみたら高かった。)
いくつかの要素をピックアップして全体として優位だとかいう「国家の品格」みたいな民族主義的な本に頼らなくてもいいです。
ここで書かれていること、一人のデザイナーが「どうして、今、日本で仕事をしているのか」という理由を知るだけで日本が少し好きになれます。

僕は日本の伝統的な芸術はほとんど、どれも嫌いでした。
お寺だとか、歌舞伎だとか、茶道だとか、どれも「理解できないのはお前が悪い」的な雰囲気があって、そのあたりが癪に触るんですよね。
実際、どんな紹介を見てもその芸術性自体を否定してるものってほとんどないんですよね。
ちょっと批判っぽく書いてても結論は決まってるものばかり。

だから嫌い。

だったんですが、まあ少しくらいは存在を許してやろうかなって気になりました。
ここで紹介されている場所が、そういう文化を理解した上でもう少し下手に提供されている様子にちょっと感動してしまったので。

デザインに興味がある人(きっと)もない人もとてもおもしろく読める本です。
最近読んだ中ではいちおしですね。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ちょっと面白そう。
読んでみようかなー。

日本の伝統芸能はもともと嫌いじゃないし。

kumicho さんのコメント...

いや、日本のことは1章だけなんだけどね。
でも、おもしろいのは間違いない。

どうせ買うならこのページから!!