2005年11月23日水曜日

琉球弧の精神世界


沖縄出身の女性が書いた沖縄の本。
タイトルは精神世界ですが、内容は半分くらいは具体的な沖縄の問題や歴史です。


前半がいかにもタイトルどおりで、信仰や習慣について書かれています。

この作者、沖縄に住んでいて、しかもあちこちの島に良く出かけているんですね。
それなのに、「つまり、沖縄ではこういう風に信仰が作られているのだよ!」って部分はすべて引用です。
その引用と自分の見聞きした話を比較する、なんてこともない。
たまに書くかと思うと、「これは私見になるが、」なんて断りまで入ってきて、果たしてこの人が書いてる意味があるのか考えてしまいます。

正直言って、この人に文章を書く力はないですね。

「だいたい28の島をまわった」なんて、小学生だったら怒られてます。
なんで、「だいたい」で「28」なんだ?

これだけ読みにくい本は久しぶりだったので、何度も挫折しかけました。
「どれだけおもしろくなくても、読み始めたら最後まで読む」という昔からの習慣がなければ無理でしたね。


後半に入ると、沖縄の近代史や基地をめぐる問題、現在起きている活動なんかが紹介されています。

このあたりは「なるほどね~」と読んでいておもしろいです。
同じ日本でも全然違うんですね。なんとなくは知っていたけど、一つ一つ説明されると重みが違います。
沖縄の人って、自分たちを少数民族だと思ってるんですね。意外でした。

そういった、基地や少数民族としての活動のいくつかは作者自身が参加しています。
ここでやっと、この人がこの本を書いてる理由がわかるわけですね。


こんな感じなので、沖縄に興味がある人は読んでみたらどうでしょうか。
僕は同じような上海の本があったら読んでみたいです。

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