2005年8月25日木曜日

坂口 安吾 - 白痴


天才です、多分。
作品を通して作家自身を好きになってしまった2人目です。

なんで”多分”天才なのかというと、自分より優れている人はどれくらい優れているかわかりにくいですからね。僕にはきっとそうだろうくらいしかわかりません。
逆にいうと、馬鹿なことは自分の馬鹿さに照らしてすぐにわかってしまうので、世の中気持ちよくすごせるようにはできてないですね。

これは国語の教科書にしてしまえばいいと思います。
戦時を過ごした体験も書かれているので歴史の勉強にもなるし、理想と現実のギャップに苦しむことがどんなことかもわかります。
だからといって堅苦しいこともないので楽しく読めます。
性の話もよくでてきます。それでも大丈夫です。
よく考えたら、いい年のおっさんが青春や少年、少女を瑞々しく書き上げるなんて気持ち悪くないですか?

おまけに、今もあるのか知りませんが、変な自己陶酔か?って私小説も減るのじゃないでしょうか。
ほとんどオナニーとしか思えない私小説ばかり読んできたので、このジャンルはなんのために存在するのかずっと疑問でした。
大江健三郎はオナニーからは遠いと思うけど、僕にはあまりおもしろくないし。
でも、この本を読んでやっとおもしろいということがわかりました。
ただ、そう簡単に真似ができないこともわかったので小さい頃から読んでいれば無理に挑戦する人も減りますね。

とりあえずもっといろんな人に読んでもらいたい気持ちも込めて、ぜひぜひ教科書に。

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