上海に来たときから、ずっと行こうと思ってたんですよね。
でも、友達が一緒に行きたいって言ってたので我慢してました。
もう一年待ったから時効です。一人旅。
国慶節の連休を利用して行くつもりでした。
でも、1日目をボーっと過ごしてたら、なんかもう行かなくてもいいかな、って気になってきてました。
ところが、
「まあ、どうせ、ぼーっと過ごすんだろ?」
だとか、
「連休なのに旅行にも行かないなんてもったいない!」
だとか言われてるうちに、
「やっぱり旅をしなければ!」
という気になって行ってしまいました。
悪友にそそのかされる、善良な僕。
まあ、上海の人の多さと、天気の悪さにうんざりしていた、というのもありましたけど。
本屋で立ち読みしてたときにその気になったので、急いで家に帰って、歯ブラシとタオルだけ余計に持って、上海駅へ。
軟らかいほうの寝台しか残ってないっていうので、それにしました。
中国の座席は、硬いのと軟らかいのとあって、軟らかいほうが上等なんですね。
なんと250元。思ったより高いです。耳を疑いました。
上海出た時は4人部屋に一人だったので、「貸切だー!」とか喜んでましたが、途中からおっさん達が一緒でした。
いびきのうるさいこいつら、朝の駅員の見回りのときにも消えてたので、実はただ乗りしてんじゃないのか?ってな気もします。250元。
朝7時くらいに目が覚めて、食べ物も水も持ってないことに気がつきました。
飢えて乾いて嫌な感じです。ちょっと帰りたくなってきました。
窓の外を眺めていると、なんかどこにでもある小汚い田舎の風景。
さびの目立つ建物だとか、廃屋だとか、妙に小奇麗で下品で新しい家だとか。
「なんでこんなところまで来てしまったんだろう?」ってな気分にもなってきます。
黄山駅について「銀行でお金を下ろさないと。」とか思いながらふらふらしてると、ホテルを見つけました。
「あ!そう言えば昨日から歯磨きしてない!」と思って、トイレを借りて歯磨き。
ホテルを出たところで、三輪車タクシーのおっちゃんに捕まりました。
で、山に行くにはタクシーで150元かかるとか言うので、そりゃ無理だからバスで行く!って言うと、バス停まで乗せてくれました。
バスの前で止めて、そのままバスに押し込められました。なんか不安です。山は山でも強制労働とか。
でも、ゆらゆら1時間弱で、山のふもとに到着しました。とりあえず一安心。
ゆらゆら揺られながら見ていたパンフレットによると、黄山には温泉もあるらしい。
「ということは、温泉に入って、その後朝食だな!」
と、実際にどんなものなのかちょっと不安に思いつつ、温泉を目指すことにしました。
案内所で温泉の場所を聞いて、またバスに乗ります。
温泉らしきところについてみると、ホテルの前。とりあえず受付で質問。
「温泉どこですか?」
「ここです」
「入りたいです」
「やってません」
「他にやってるところはどこですか?」
「ありません」
「!?」
僕のイメージでは、温泉って草津温泉みたいな感じだったわけですよ。
だからひとつの浴場がやってなくても、他にもあるだろって。
道端で雨合羽を売ってるおばちゃんも、案内所にいたお姉さんも、「温泉は×××。。」とか言ってましたが無視して来たのがよくなかった。
やっぱり来るんじゃなかった、そんな気持ちでいっぱいです。
とりあえず、べとべとする体は放っておいて、ご飯食べることにしました。
移動も面倒なので、そのホテルのレストラン。
あんまりおいしくもないのに、100元もかかりました。
「ん!?100元!!」
気がつくと、手持ちのお金は400元。
「カードでいいですか?」
「下の喫茶店では使えるけど、ここは使えません」
イミワカンネー。
もう、ほとんど、すぐにでも帰りたい気分でした。
移動の12時間ってのが耐えられない気がしたので、飛行機で、、、パスポート持ってない!
投げやりな気持ちで山に向かうことにしました。人はなぜ山に登るのか。
近くのバス停を教えてもらって、歩くこと15分。
「これって近いって言わないよね?」
。。。通り過ぎてました。
戻ってみると、
「しばらくバスは来ないよ」
30分ほど待って、やっとバスが到着。
ケーブルカーの駅につきました。
山の入場券が200元。さすが世界遺産。
ケーブルカーの前には行列ができてます。
本を読みながら待つこと1時間半。やっと乗れる。
と思ったら、
「この券じゃ乗れないよ」
なんと、入場券とは別に券を買わないといけないらしい。
「またこの列に並ぶのか。。。」
と、途方にくれていると、その場で発券してくれました。65元。
ケーブルカーに乗って一息ついたときに気がつきました。
今の支払いで、残りのお金は35元。
とりあえず山頂付近に着いたわけですし、嫌なことは考えず、山頂を目指すことにしました。
でも、天気も悪い。
From 黄山・一日目 |
最近運動をサボっていたからか、20段ぐらい上がるともう息切れします。
やっぱり、何のためにここにいるのかわかりません。
うれしそうに歩いてる周りの人民達がみんなキチガイに見えてきました。
籠に乗りたかったけど、そのお金もない。
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この籠の隣の黒い女性。
なぜかスーツにハイヒール。今から山頂で打ち合わせ?
しかも僕より登るの早いです。なんだか萌えました。
山頂についてみると、
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なにも見えません。
こんなのアリですか?
しばらく待ってりゃ、天気も変わるかと思って30分ほど本読んでましたが、なにも変わらず。
黄山には主に3つ山頂があります。
てなわけで、次の、一番高い山頂を目指すことにしました。
移動を始めると、向こうの斜面を登っている人達が見えます。
断崖をひたすら登ってます。
なにか怪しい集団に紛れ込んでしまったのか?修行にしか見えません。
近くまで行くと、階段の途中に鍵がかかっていました。
時計を見ると、もう5時過ぎ。
「終わり?終わってしまったの??」
途方にくれて、しばらく座り込んで本読んでいました。
気を取り直して帰ることに。
上ってきたときとは別のケーブルカーを目指します。
辺りはもう薄暗くて、ケーブルカーの建物の明かりがまぶしいです。
「これ、上ってきたときのチケットだけど、降りれますか?」
「ダメです」
「カード使えますか?」
「中国のだけ」
「じゃあ、僕はどうしたらいいんだ~~!!」
と泣き叫んでもしょうがないので、歩いて下山することにしました。
途中の看板に、「下まで約2時間」と書いてあります。
「そんなこと言われてもしょうがない」
突っ込みました。
数分歩くと、洞窟のようになってる部分が。
階段が、まったく、見えない。
がんばって10段くらい降りましたが、これはさすがに死にそうだと思いました。
引き返してくると、ケーブルカーの近くに食堂が。
朝を待って下山して、バスでふもとまでいって、乗り換えて駅まで行くとしたら、23元必要です。
僕にできる買い物は、りんご1個とミネラルウォーター1本だけでした。
にぎやかに食事を楽しんでる団体さんを横目に一人寂しく煙草を吸っていると、マッチ売りの少女の気分がわかるようでした。
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日が暮れると、どんどん寒くなります。
ちょっと耐えられそうになかったので、併設されているホテルに行きました。
「しょうがないから、部屋借りちゃうか」
と思って料金を見ると、、、1500元。
そっか、600元って話はふもとで旅行会社通した時の値段なのね。
もうなんだかすべてが馬鹿らしくなったので、フロントのソファで寝ることにしました。
寒くて、ひもじくて、みじめです。
おやすみなさい。
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(黄山・天国編につづきます)
3 件のコメント:
あなた、大丈夫ですか?
kumichoもひとつ大人になったねぇ~。
> よっしー さん
おまえ。大丈夫だ。
> いしばし さん
でしょでしょー。
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